『むつぼしのひかり 墨字訳』第1集  視覚障害者による視覚障害者のための明治の点字総合雑誌 第1号(1903.6)〜第10号(1904.5) 所収 むつぼしプロジェクト編  中村満紀男(福山市立大教授・筑波大学名誉教授)監修  発行:(社福)桜雲会(2016年2月25日)定価1500円+税 A4 版230ページ この雑誌は、視覚障害者自身が自らの境遇に基づいて、教育および生活について何を考え、主張したのかを示す貴重な内容を、視覚障害者自身が編集・刊行した。「むつぼしのひかり」は「六つ星の光」であり、その意味は、六点の表音文字である点字と王座の象徴としての星座名を示していると思われ、執筆者である東京盲唖学校卒業生が本誌に対して抱いていた強い願望と意欲が推測される誌名である。その内容が、盲教育や生活に関する見解のみならず、彼らの主たる職種であった鍼按術、職業論・社会評論・女性論・文芸等、非常に広範にわたっており、視覚障害者同士がさまざまな主題について思想や主張を交換し、点字で文芸発表をする唯一の場であり、いわば盲人の総合雑誌であった。障害当事者による彼らのための点字雑誌であるから、他の資料では代替不可能な、当事者自身の見解と主張を忠実に再現できる。また、全国の盲学校教師や鍼按従事者、福祉事業家、女性活動家等として、全国的にどのよう活動し,ネットワークを築いていたのか、どのように教育的・福祉的・社会的に機能したのかが把握できる。以上のような意味で、「むつぼしのひかり」のごく一部ではあるが、墨字訳は、まさに、視覚障害者と障害者の新しい歴史(研究)の一頁が開かれることが期待できる画期的な資料であることを明示することになると思われる。(監修者序文より) 連絡・問合せ:社会福祉法人 桜雲会  〒169-0075 東京都新宿区高田馬場4-11-14-102   TEL:03-5337-7866/FAX:03-6908-9526 メール:ounkai@nifty.com 購入希望受け付けます! 氏名: 送付先住所: 連絡先電話・FAX: E-mail: